TKG PRIVATEERS RALLY PROJECT

ラリーにプライベーター参戦する日々を綴るブログ

Rally Monte-carlo Historique その3

さて、前回の記事から少し時間があいてしまいましたが、今回はチームの紹介とレッキ(下見走行)について書きたいと思います。

今回はTeamTODOROKIというチームで参戦させて頂きました。

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東京大学ホンダテクニカルカレッジ関東(ホンダ学園)の学生から成り、クルマの輸送から現地の宿の手配と言った事務手続きはもちろん、車両のレストア・メンテナンス、現地のサービス、食事まで全てこなしてくれる頼もしい学生たちです。

プロジェクトは1年周期のため毎年チームメンバーが刷新されます。4月のプロジェクト開始時は「ラリーって何?」という状態からスタートしますが、モータースポーツの濃い大人(笑)たちに揉まれ、学生達は段々とたくましく成長していくのです。

ラリー本番もなにかとトラブルが起き、珍道中なところは大いにあるものの、正直なところそこがまた楽しくて堪らないのです。
私は学生の時にサービスメンバーとして参加後、選手として今年で4回目の参加となりますが、海外ラリーの楽しさはもちろん、学生の運営による予想外のトラブル対応含めて病みつきになっています。

詳しくはチームのWebサイトをご覧頂くことにして、いよいよ現地の話に入ります。

rallytodoroki.com

ラリーの1週間前に中部国際空港を出発し、ルフトハンザ航空にてフランクフルト経由でマルセイユに到着。マルセイユではご好意によりポールリカールサーキットのピットを借用させて頂き、先に現地入りしたメンバー達が整備拠点として使用させて頂いておりました。

18:00に空港に到着、後続のホンダ学園生と合流して、宿に向かいその日はそのまま宿泊。

翌朝、今回使う競技車両の初代カローラレビン(TE27,以下27(にーなな)と書きます)をサーキットで受け取りレッキに出発しました。

ナビとしてホンダ学園の副リーダーを拉致して、とりあえずGoogleマップを使ってもらいZR13(15km)のスタートのすぐそばの街Entrevauxに向かいました。
久々の右車線ドライブ・・・、最初はサーキット内で危うく逆車線を走りそうになりましたが、外に出てクルマの流れに乗ればしめたもの。
以前のカンを取り戻し、信号のないラウンドアバウトの世界の快適さを満喫しました。

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Entrevaux到着、街のパン屋でピザを購入、€2くらい

ロードブックがないのでWebサイト上の地図を見て、スタート地点を推定。コースは1.5車線くらいの幅で尾根沿いを走る感じ。ヘアピンの連続部分はアベ(大体50kmh)に乗るのが難しそうでした。
ちなみにフランスの田舎道は基本的に80km制限のため、レッキ中もスピード違反の心配はありません。そもそもその速度で走ることが難しい感じのコースでしたから。

Entrevauxのレッキを終え、そこからZR14(35km),15(20km)へ向かいました。
ZR14はモンテ名物、Col de turini(チュリニ峠)。かの有名なコースにレッキ1日目から行ってしまいました。

実はチュリニ峠には2012年に学生メンバーとしてトラックで走っていますが、ラリーカーで走った今回はさすがに格別なものでした。最初の平地区間は危険です。突如出現する滑りやすい雪、アイスバーン、ナイトステージを競技スピードで走ると大変そうな印象でした。コース脇にはWRCでチュリニ峠を使う3日前に走行したのにも関わらず、既に焚き火やキャンプをしているギャラリーがいて、27を見つけるや大騒ぎで応援してくれました。
その後のつづら折れのヘアピン区間はドライターマックで爽快そのもの。とても楽しく走って頂上のギャラリーゾーンへ。

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 頂上のホテル・レストランの前で記念写真 

頂上から下ると、日陰で少し雪があったものの、あとはルンルン下ってレッキ終了。
本番はナイトステージで気にならないものの昼間に走ると怖いのが、とてつもなく切り立った地点があるところです。転落防止のレンガ積みの石壁を超えると軽く100mは落ちていくようなコーナーがところどころにあるのです。落ちたら即死だろうなぁ、でも楽しいなぁ、みたいな。ラリー屋はちょっとおかしいですね。

続いてチュリニ峠のすぐそばのZR15を走ってこの日は終了、Nice周辺の宿に向かい、22時ごろ到着したのでした。

ちょっと長くなったので、ここらへんにして、レッキの続きは次回にしたいと思います。

ホンダの副リーダーくん、この日だけだったけどナビに付き合ってくれてありがとう。

 

 

Rallye Monte-carlo Historique その2

さて、前回はルールについて説明したので、今回はスケジュールとロケーションについて説明したいと思います。

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まず、大きな特徴として、スタート地点がエントラントごとに異なることがあります。

よく日本のラリーの閉会式で「家に帰るまでがラリーです(居眠り運転等気をつけてね!)」と主催者から聞きますが、
モンテはみんなでスタート地点に集合する時からそもそもラリーなのです。
もちろんタイムコントロールに遅れたら減点がありますし、途中でクルマが故障したらリタイアです。

そもそも元来のラリーのコンセプトとして「各地を出発して一箇所に集合する」というものがあるのだそうです。(Wikipediaによる)

この集合をモンテで「Concentration」と呼びます。

スタート地点として最も遠いのがGlasgow、最も近いのがMonte−Carloで、ほかにMilanoやBarcelonaなど、7箇所あります。
各スタートを出発した競技車はいくつかの通過確認ポイントを経てValenceの街へ集合します。この距離、グラスゴーのスタートだとざっと2150km、最も近いスタートのモナコでも730km近くあります。
当然時間もかかるので、グラスゴーだとValence到着の2日前にスタート、モナコだと1日前にスタートです。

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 Concentrationのスタート地点 

Concentration Legが終わると、2日間Valenceを拠点に2つのLegをこなして3日目のLegでMonte−Carloに移動します。夕方に到着してそのLegは終了しますが、その日の夜のうちにFinal Legがあり、かの有名なチュリニ峠を走って、深夜にラリー終了となります。(※Leg:だいたい1日間のラリー中の大きな区切り)
ちなみにFinal Legの前のモナコ到着時点で完走のバッジが貰えfinish扱いになります。Final Legはボーナスステージみたいなものなのでしょうか?(得点にはバッチリ反映されますが)

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 Concentration以降のステージ図 

我々はモナコスタートでしたが、2/1の21:00に出発し、concentration legをこなしてValenceに到着したのは翌日の21:00を過ぎていました。その間休憩できたのは、各通過確認のCHの前とリグループの前など合わせると6〜7時間くらいだったと思います。
まとまって休めるわけではないのでぐっすり眠ることも出来ず、Valenceにクタクタになりながら到着したのでした。
そして、最終日は朝から走って夕方ゴール。2,3時間休んでナイトステージですから、なかなかハードなラリーです。私の場合は最終日のチュリニ峠でアドレナリンが出まくったので、全然疲れを感じませんでしたが。

 

さて、次回は私の出場車両とチームの紹介をしつつ、レッキ(下見走行)の模様をお伝えしたいと思います。

 

 

Rally Monte-Carlo Historique日記 その1

せっかく念願のモンテヒストリックに出場したので、

どんなラリーだったか共有しつつ、自分の記録として残していきたいと思います。
これを読んで「モンテってこういうラリーなんだ、出てみたいな。。。出よう!」と思って頂けることを期待します。

 

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まず、第一回はRally Monte-Carlo Historiqueのルールについて説明しましょう。

毎年1月末ー2月にかけて開催されているラリーで、今年はWRCのモンテの直後の1/30-2/6の開催でした。

「古き良きラリー」をコンセプトに1979年までに生産された過去にモンテに出場経歴のあるクルマのみが出場できるラリーです。(※出場経歴がなくてもオーガナイザーとの交渉により参加可能な場合もあります)

競技自体はレギュラリティラリー(いわゆる計算ラリー)で、ZR区間と呼ばれる、あらかじめ決められたアベレージ速度で競技区間を走行し時間の正確差を競うラリーです。

ZR区間中にはシークレットチェックポイントが大体5箇所から20箇所ほどあり、車両に搭載されたGPS装置(主催者配布)により、1秒単位で減点が課されます。コンマ秒単位で減点がないのは、恐らくGPS装置の位置情報の誤差がアベレージ速度で走行した際に1秒以内の距離だからなのでしょう。
ここで、一番の特徴は減点が積み上げ式だということです。
簡単な例で考えてみましょう。

  例)一定のアベレージ速度にて1km地点のCH1を1秒遅れで通過、2km地点のCH2を2秒遅れで通過した(アベレージ速度が指定速度よりも1秒/km狂っていた)

・モンテの場合の減点:CH1 1秒減点 CH2 2秒減点(CH1で遅れがリセットされない)
・日本の一般的なラリーの場合:CH1、CH2とも 1秒減点

日本のラリーはアベレージ走行中にチェックポイントがあり、そこで一旦停止をして、到着時間と正解時刻との早遅により減点をもらうのが一般的ですが、ヨーロッパのヒストリックレギュラリティラリーはノンストップです。
これは何を意味するかというと、一度アベから遅れてしまうと、遅れを取り返すまで減点を取られ続けてしまうということです。ヘアピン区間の遅れは後の区間でSS走行をして、取り返さなくては行けません(笑)

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 減点表の例 

ちょっと文字が多くなってしまったので、この辺にして、次回はモンテの日程について説明したいと思います。
ルールについて説明がわかりにくくてすみません。
それでは、また次回。

いなべ東近江ラリー

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6位/14台、全SSで上位争いができませんでした。

 速くなるであろうセッティングに変えて望んだ本戦でしたが、
それが裏目に出てしまった感じです。

コースもスプリントコースで、苦手なヘアピンコーナーばかり。

タイヤもジムカーナコンパウンドではなくレースコンパウンドでも十分に勝負になるだろうと思っていたら、
路面温度が低い1ステで予想以上に差がついてしまいました。

と、言い訳を上げればきりがないのですが、
逆に新しく試せたこともあるので、収穫です。

・後半精神的に自分を奮い立たせてプッシュしたり
(結果甘刺さりしましたが)
・タイヤの空気圧を思い切り上げて早く温めるようにしたり
(結果グリップが結構上がりました)
・ふてくされてリエゾンの余裕時間に寝てみたり
(結果頭がシャキッとして次のSSの集中力が上がりました)

調子が悪いときにどうリカバリーするかがラリーの真髄だと思っていますが、
流れを変えるような引き出しがまだまだ足りません。

 

7月はラリーがないので、しっかりとセッティング出しを行って、
クルマの扱い方もレベルアップして、まずは悪い流れの未然防止を。
そして、セッティングの引き出しを増やして、調子の悪いときの流れを
止める術を身に着けたいと思います。

 

山の中でヒルに噛まれたところがまだかゆい!

MASKラリーin新城 2018

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15位/完走16台。

残念な結果に終わりました。

 

敗因はSS3雁峰西のスピン。

道が細いところでマシンが120度くらい回って、前後タイヤが法面と縁石にちょっと進むとぶつかる状況だったので、やむなく逆走方向に切り返してしまいました。

 

コドライバーをしていた時にクルマが180度スピンしてバックで待避所まで進んで、ターンしたことがあります。

シチュエーションが完全にダブりました(泣)

 

SS1,2,5はクラス3位タイムだったので、非常に残念です!

車両にダメージがなかったのが救いです!

また、後日、コドラと反省会を実施し、前回のあさま隠に続き、以下の課題が見つかりました。

・車両のリアの限界が異常に低い時がある

・ペースノートの5と6の範囲が広くて踏めてない

・ロングコーナーのアペックスのつき方が下手くそ

・「クローズ」を使おう

 

またしても、結果が出なかった中部・近畿戦でしたが、経験と知見は蓄積されているので次回に繋がるように頑張ります!

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動画比較

実はここ何年かラリーの成績が出なかったので、
ドライビングはそれほど進化していないのではないかとうっすら思っていました。

 

そこで、動画で比べてみました。

 あさま隠し2015 vs あさま隠し2018

 

他の観点だと・・・
 学生の自分vs社会人の自分
 EK4シビックvsEK9シビック
 ドライ路面vs濡れ始め路面
 ダートダンパーvs舗装
ダンパー

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<結果>

2018の圧勝!

やっぱり「継続は力なり」ですね。
(クルマの違いももちろんあると思いますが)

もっと頑張れば、もっと伸びそうな気がしてモチベーションになりました。

 

ただ、ステアリングの動きがあまり変わっていないので、
クルマの動きは進化していないかもしれません。
そのあたりをテーマに頑張ります。

 

あさま隠山岳ラリー2018

先週末は群馬ラリーシリーズのあさま隠ラリー2018に参加してきました。
丹後でDNSだったので、今シーズン初ラリーです!

結果はBクラス20台出走、16台完走中6位入賞とまずまずの成績でした。
しかし、クラッシュ未遂もあったり、ドライバー的には納得できる走りではありませんでしたので、まだまだ修行が必要な感じです。 
コ・ドライバーに色々と宿題を頂いたので、今後の成長が楽しみです。

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