TKG PRIVATEERS RALLY PROJECT

ラリーにプライベーター参戦する日々を綴るブログ

Rally Monte-carlo Historique その10 Classification Leg 番外編

大雪のため道路が通行止めとなり、結局予定されていた4つのZR(競技区間、SSのアベレージラリー版みたいなもの)のうち1つしか行われなかったClassification Legですが、途中のチェックポイントで軽食コーナーがありました。

Rally Monte-carlo Historiqueでは、ZRとZRの間にCH(タイムコントロール付きチェックポイント)があります。
多くのCHは街の広場のようなところに開設され、住民達がラリーカーを見にわらわらと集まったり、地域のお店の人々が軽食や飲み物を振舞ってくれたりします。

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CHでのタイムコントロール待ち


Classification Legで立ち寄ったSaint AgreveもそのようなCHのひとつです。着いた時点でその日の残りのZRは全てキャンセルになる情報が回っており、あとはタイムコントロールやチームのサービスポイントを通ってValenceに戻るのみという状況。
テントにエントラントが集まっているので入ってみると、パンやサラミ、コーヒー、簡単につまめるものが振舞われています。

ちょうどお腹が空いていたので嬉しい軽食、コーヒーひとつ、とおっちゃんに注文すると、
飲むか?、と言っておっちゃんが取り出したのはなんとワイン!

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バケットもサラミもパスタを茹でたやつもどれもうまい!

 

赤やら白やら、エントラントの皆さん思い思いに飲んでいます。
さすが飲酒運転に寛容なフランス。グラス2杯くらいなら大丈夫だそうです。
私はConcentrationの疲れが残っていて、酔っ払いそうなので遠慮しておきました。
昔は飲まないとスタートさせてくれない、とかいうアルハラがあったそうです(笑)

そしてその日の夜Valenceに戻ると、またもや立食パーティが。
バンドの生演奏でむちゃ豪華です。
どんだけ皆さん飲むんでしょうか・・・
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生バンド演奏!

 

順位を競わなくても楽しめる工夫が色々あって楽しいですね。

 

 

Rally Monte-carlo Historique その9 Classification LEG

2/3 Classification LEG ZR3,4,5,6

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雪の中のサービス

24時間以上活動していたConcentrationのあとはしっかり熟睡して、ヴァランスから朝スタートしました。

ZR3–6はレッキ時から雪に覆われていたので、雪を覚悟して臨みました。

ZR3の手前から案の定、積雪路となりスタートしました。
前日の反省もいかし、恐る恐る走行しましたが、雪が酷いのもあって前半は全くアベに乗れません・・・。
中盤で道幅が広くなったためペースアップ、遅れを取り戻しオンタイム走行に。
ここから遅れないように走るぞ、と思ったのはつかの間、再びコースは雪深くなります。
ペースダウンしていると、しばらく先に2台競技車が停車しています。
近づいてみると、なんとコースオフ・スタックして動けなくなったクルマをサービスカーが引っ張り出しており、道を塞いでいます。

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道幅がすれ違えるほど広くないので、後続の競技車は指をくわえて見ている他ありません。
救出に5分くらいかかったので、あっという間に3000点減点。その後のシークレットチェックポイントも3000点ずつ引かれ続けたので、あっという間に20000点に達し、減点超過で20000点になってしまいました。

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トゥルノンにて


自分のチームの車両の競技車を救うために、他のチームの邪魔はお構いなし。
なんというラリーでしょう。
その日はさらに雪がひどくなりZR4,5,6に向かう道が通行止めになり、競技中止。
リエゾンの雪道も大変ハードでZR1本しか走っていないのにヘトヘトに疲れました。

ZR3の件については、抗議を出す気力もなく(多分通ることはなかったでしょう)、モンテの厳しさを知る1日となりました。

Rally Monte-carlo Historique その8 Leg1後編

前回からむちゃくちゃ時間が空いてしまいましたが、めげずに続きを書きます。

 

youtu.be

コースオフ後、主催者の追い上げ車両が何台か来て、引き上げのトライをしてくれたものの、
なかなか引き上げられず。最後に到着したランクルにようやく救助された頃にはコースオフしてから1時間が経過していました。
コースオフ箇所から雪を恐る恐る走っていくと、悲しいことに雪が酷い区間は残り1kmほどしかありませんでした。完全にやらかした感じでありました。
ゴールの通貨確認所に行くと、オフィシャルが一仕事終えて片付けしています。
ZR不通過となり20000点減点です(2000秒分)。
コースオフ中にサービス隊に連絡したところ、次のZR後のCHに30分遅れるとリタイアとなるとのことだったので、リエゾンを爆走します。

すぐに次のZRに到着し、スタート。アベレージ50km近辺が指定でしたが、次のCHに間にあわせるため指定を無視して爆走します。カーナビを頼りにナビゲータさんが次のコーナーのRを読んでくれて、スピードラリーさながらでした。
暴走を防ぐためZRの平均アベレージ結果が指定アベレージの2割を超えると大幅ペナルティというルールがありましたが、ずっと上りが続くコースだったため、ペナルティに引っかかることはなかったようです。

ゴール後、田舎道を超えて国道に復帰、再びリエゾンを爆走します。
目の前に迫ってくるリタイアを前に、情けなさ、不甲斐なさでぼろぼろ涙が出そうになりましたが、ポロポロくらいに堪えました(笑)
路肩にサービス隊が見えましたが、そんな時間はないので無視して通過。

リエゾンが長かったため、なんとかCH前にはオンタイムに復帰、クレストのCHに到着しました。

CHでは他のクルーが心配して待っていてくれていると思いきや・・・、意外とケロッとしてました(笑)

クレストからはヴァランス市中のパルクフェルメまで向かう予定でしたが、イエロージャケッツのデモにより急遽パルクフェルメはスタジアムに変更。パルクフェルメの移動に時間がかかっているとかで、2時間のリグループを余儀なくされました。

ja.wikipedia.org


その間にTE27トレノのドライバー様にピザとコーヒーをご馳走になり、チームのクルーとラリー談義に花が咲きます。スタートから22時間が経過、ここまでくると不思議と眠気はありません。

 

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Valenceに集結したラリーカー

リグループを終えてヴァランスに無事到着、300台を超えるラリーカーが集結するパルクフェルメに興奮します。1台1台しっかりと見たい気持ちもありましたが、次の日もあるのでさっさと受付へ。

参加賞を受け取り、軽い立食パーティーで腹ごなしをして帰ります。

チームがとってくれたロッジでゆっくり休みます。

長かった1日が終わり、どっと疲れを感じるとともに、ZR1で食らった取り返しのつかない減点に落胆しながら就寝しました。

残り4日間、これだけではまだ終わらず、ハプニングは続くのです・・・。

 

 

 

 

Rally Monte-carlo Historique その7 Leg1中編

次のCPのクルテゾンまで約11時間のタイムコントロールの宣告を受けた我々でしたが、実際のドライビングはそれほど長くなく6時間ほどの走行となりました。

その間、2回ほどチームのサービスを受けて、軽食や車両の軽整備を受けました。流石に2回目のサービスの時はかなり眠かったので、ワンボックスカーの後席で15分ほど仮眠しちょっとだけ回復。

山の上の方では雪の区間も多く、FRの27はお尻を振りながら走っていきます。特に上りはリアのトラクションが悪く、コーナーの立ち上がりでスロットルを開けるとリアが横に行くばかり。わだちにも足を取られてフラフラ。
お互いのミスコース防止のため、同じチームのシビックと一緒に走っていたのですが、彼らからはだいぶ27は不安定に見えていたようです。

そんなこんなでクルテゾンに到着したのは朝8:30。スタートから11時間30分後、まだタイムコントロールインまで4時間30分ありました。

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クルテゾンの体育館で眠るドライバーたち

クルテゾンでは体育館が休憩所として解放されていたため、ドライバー達は絶好の仮眠の機会とばかりに雑魚寝してました。

我々は午後に控えるZR1,2の各ポイントの補正タイムの計算をしていたので、仮眠できたのは1時間半ほど。

起きたら全身に倦怠感がありましたが、不思議と眠気はありません。

地元のチームの人たちが振る舞うコーヒーとクロワッサンを食べて腹ごしらえ。GPS装置の取り付けをしに各スタート地点から車両が集まるビュイレバロニーへと出発し、30分ほどで到着。

ここからは全エントラントが集まるTCとなるため、地元にも大会のことがアナウンスされているらしく、見物客が多く集まってました。

無事にGPS装置を取り付けして、動作確認。全てのタイムはこの装置を基準に計測されます。

GPS取り付けに割り当てられた30分のレスト(実際は2,3分で終わります)を取った後、いよいよ初めての競技区間であるZR1へと出発しました。

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ビュイレバロニーのCHとGPS計測装置

途中、オドメーターチェックポイントで補正係数をとり、田舎道のリエゾンを走っていると、地元ドライバーからバンバン抜かれます。リエゾンのアベが高く、天候の悪化やトラブル等があるとすぐに遅れてしまうシビアな時間設定がされているため、少しでも稼ごうとしているようです。
制限速度でうかうか走っていられません。
そんなこんなでZR1のスタートにカッ飛んでいくと、峠の頂上で雪が舞っていました。
緊張しながらスタート。いい感じでアベ走行が出来て、テンションが上がります。
峠の頂上に近づくとどんどん雪が降ってきます。
上りのヘアピンではスパイクタイヤが思った以上に空転して上りません。
峠の頂上を5秒遅れくらいで通過し、下りに差し掛かります。
フロントヘビーな27は下りが苦手、しきりにアンダーが出そうになります。

ナビ様の「抑えろ、抑えろ」というアドバイスに従い、少し抑えますが、遅れを少しでも取り戻そうと思い、ペースダウンを最小限に抑えます。

下りの右コーナーでした。進入でブレーキを踏んだら、フロントが完全にロック。リリースしてもロックが戻りません。ステアリングを切るも、クルマは真っ直ぐに進んでいきます。

止まれー!、という思いも虚しく、クルマは道路から落下。幸い、速度が低かったので、リアタイヤが道路に残った状態で残りました。

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 道路から落ちてしまったTE27

はるばるフランスまで来たのにいきなりリタイアか。。。
頭に浮かぶのは最悪の展開、目の前が真っ暗になりました。

次回に続きます。

 

 

 

 

Rally Monte-carlo Historique その6 Leg1前編

前回からだいぶ空いてしまいましたが、いよいよ競技のことを書いていこうと思います。

今回は競技1日目受付〜Concentration前編です。

2/1の昼にEza−Vistaの宿を出発、20分ほどでMonte Carloに到着し、オフィシャルの建物で受付を済まします。

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 オフィシャルの建物 

免許証と車両の公認書を見せて、受付を通過。無事にゼッケンやステッカー、書類を受け取りました。

この日は土砂降りで、屋外でとてもステッカー類を貼れる状態ではなかったため、地下駐車場に移動。
雨をしのぎつつゼッケンを貼り付けますが、ボデーを拭いても拭いてもなかなか水滴がとれず苦戦。なんとか無料の時間内(1時間)に貼り付け完了し駐車場を脱出!

お次は車検です。
どんなところを見られるのだろう、何か引っかかったらどうしよう、と構えて来てみたものの、灯火類・車体番号・GPS装置の配線の確認くらいしかしません。ザルです(笑)
エンジンの排気量アップくらいなら軽く通過するのではないでしょうか。

16時ぐらいに車検を通過してからは21時のスタートまでやることがありません。
19時までカフェで休憩して、軽食会があるオフィシャルテントに移動して腹ごしらえをしに行きました。さすがはフランス、19時開始のはずなのに19時30分までテントが開きません。

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 スタート前の軽食会 

腹ごしらえを済まし、いよいよスタート。長い長いConcentrationレグの始まりです。
モナコの市街地の道順がなかなか難しいのですが、ナビゲーターさんは慣れたもの。
街中はすぐに抜けて、高速に乗りすぐに降りて田舎道へ。

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 いざスタート! 

地元ドライバーたちは物凄い勢いでかっ飛んでいきます。
追い越しが難しい狭さの区間になると、前の車に追いついた競技車が連なってダンゴになります。
土砂降りの影響で最初のCP (スタンプポイント)手前の山道の落石が思いのほか激しく、道には10cm角ぐらいの石がゴロゴロ。中には漬物石大の大きさのものもありました。

そんな中で早速やらかしてしまうクルマもいて、サービスカー横付けで修理している光景も見えましたが、我々は無事に通過し最初のCHのSaint-Andre-les-Alpes まで。
CH前でサービスをしてもらい燃料補給と軽食を取りました。
CHに到着することにはスタートから4時間が経過して翌日の1時になっていました。

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 Saint-Andre-les-Alpes 

タイムコントロールまで1時間ほどあったのでカフェでコーヒーを飲んで休憩。
指定時間になってタイムカードを受け取ります。
カードを見てびっくり、次のTCまでの時間が10時間56分‼︎
こんな長い時間指定を初めて見ました!

まだまだ長いConcentration。次回は中編を書きます。

Rally Monte-carlo Historique その5

今回はフランスを走って感じた、現地の文化について書きたいと思います。
1/24〜2/8の約2週間クルマに乗りっぱなしで計4000kmほど走ってきた訳ですから、クルマに対する考え方の違いについては少なからず感じるところがありました。

・日本は管理主義/欧州は自己責任
前々からこれは感じていることですが、欧州は制限速度が基本高めに設定されています。高速は最高130kmh制限、田舎道は80kmh制限です。
高速道路は日本より真っ直ぐで広い気がするので分からなくは無いのですが、田舎道は日本人ドライバーにとっては時に危険でしょう。
例えば、80kmh制限の田舎道の中にも30kmhに減速しないと曲がれないようなコーナーが多数あります。センターライン、ガードレールが無い1.5車線道路で道からこぼれると木に激突するような道もあります。そんなところは「コーナー以外のところまでゆっくり走るとかったるいから80kmh制限にしてあげるよ。でもその代わりコーナーは自己責任でね♩」という意図が見えます。

また、郊外は交差点に信号機が殆どなく、ラウンドアバウト(いわゆるロータリー交差点)があることも大きな違いでしょう。説明はWikipediaに任せるとして、ラウンドアバウトは中にクルマがいなければノーストップで右左折、Uターンができるので非常に合理的なシステムです。しかし、クルマの切れ目に入る際の進入のタイミングは各ドライバーの判断に委ねられ、下手なタイミングで入ると即衝突事故に繋がりかねません。システムで安全を保証するよりもドライバーに保証させる考え方です。
踏切も制限速度のダウンはありますが一時停止がありません。しかし、踏切の前は必ずクランク方向のカーブがあり、線路の方向を見る工夫がされています。

ドライバーがドライバーらしくいられるのは欧州なのかもしれません。

 

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フランスの踏切/道路の配置例

異常に速い一般ドライバーもいました。
レキ中に80kmh制限で60kmhぐらいで曲がれるコーナーが続く片側1車線の楽しい田舎道を走っていたときのこと。後ろからベンツAクラスらしきクルマに煽られました。
とりあえず、道を譲って追いかけてみました。ところが、27で本気で追いかけても、全く追いつけない。こちらはスタッドレス、あちらがラジアルだったとしても相当なスピードでした。やはり、現代のクルマはボデー剛性も高く、足回りも良くできているから?
にしても、ドライバーの腕は認めざるを得ませんでした。

また、別の道でやたら車高が高いクルマに煽られました。譲ってみたら、後輪がダブルタイヤのベンツの中型トラック。空荷で走ってましたが、加速もむちゃ速いし、コーナーも追いつけない。WRCドライバーが乗っているのではないかと海野さんと仰天しました。

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・見栄をはらない、ケチるべきところはケチる
日本ではクルマは日常の道具である一方、ステータスを示すものでもあります。
例えば、東京では年間1000kmも乗らないのに、わざわざ税金の高いベンツやBMWを玄関に置く方が多くいますし、郊外でも3〜5年で新車の国産車を乗り換える方は多いのではないでしょうか。
フランスの郊外では15年前ぐらいのクルマをみんな平気で乗ってます。ドロドロに汚れても洗車はそれほど頻繁にしませんし、派手な傷でなければ板金もしません。クルマは道具なのです。さりとて、毎日使うもの。求められるのは見た目の派手さではなく、価格の安さ、ランニングコストの安さ、扱いやすさなのだと思います。
日本車に比べて、欧州車が扱いやすい/便利かというと必ずしもそうではありません。しかし、彼らは特定のポイントに関しては不便も甘んじて受け入れるところがあります。その基準が何なのはわかりません。しかし、ことクルマに関しては、多少不便でも今まで使い慣れたものが使いたい、そんなこだわりが感じられます。

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・重い!ムズイ!わからない!
ノブを回しても扉が開かないと思ったら・・・、ただ重いだけだった
スイッチが壊れていると思ったら・・・、しっかり力を入れて押せていなかった
宿のお風呂で・・・なかなかちょうどいい湯加減にならない、シャワーはどうやって出すの?
宿から出るときに・・・自動ドアを開けるスイッチが見つからない
宿のエレベーターで・・・スイッチはどれを押せばいいの?
洗濯したいけど・・・メニューが絵で示されているが何を示しているかわからない

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私が現地のインタフェースに慣れていないだけなのかもしれませんが、不便は多くありました。
インタフェースの設計としては日本ではアウトなんでしょうけど、あんまり向こうでは気にしないみたいです。
特に操作が「重い」点は注目ポイントです。重厚なドア、重い皿などなど、重いことが「許される」もしくは「美徳とされる」ものって案外あるのかもしれません。

 

フランスの文化の考察が一番長くなってしまいました。
次回はいよいよ本番に入ります。

Rally Monte-carlo Historique その4

今回はレッキの後編を書きたいと思いますが、そもそもレッキっているの?、という疑問もあると思いますので必要性について書きたいと思います。

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<前提>
1. ロードブックは配布されず、曲がる地点の距離と現在の道路名(国道・県道何号線か)が記載されたアイテナリーが配布される
2. ZR区間中ではコマ図の距離の指示値が「22.XXkm」のように100m以下が隠されている
3. ナビゲーターはオンタイム走行のタイム管理(目標物を基準に補正・ファイナル読み上げ)があるので、ペースノートは読めない、指示速度(アベ)は45kmh−50kmh

<目的>
1. アイテナリーのみでルート通りに走行するのは困難なので、レッキをしてロードブックまたは地図に起こす必要がある
1’. 慣れない土地なので街看板や交差点を見逃しやすく、ミスコース注意のところを確認したい
2. ZR区間中の曲がる地点についてもう少し正確な距離を測定したい
2’. ZR区間中で補正を取るために、独自に目標物(看板やマイルストーンなど)を設定して距離を測定したい
3. 日本とは道の形状(特にブラインドコーナー)が違うため、一度走って感覚をつかみ、有視界走行でもそこそこのスピードで走れるようにしたい

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主催者配布のアイテナリー(フランス語・・・)

私の場合はドライバーなので、主に3の目的でレッキを行います。逆にナビゲーターは主にミスコース防止と補正を取る目標の設定のためにレッキをします。
アベはそこそこなので慣れたドライバーならレッキは不要。
また、有志が作ったロードブックが市販されているので、それを買うならナビもレッキ不要ということになります。

 

さて、レッキ1日目を終えレッキ先発隊と合流しましたが、既に先発隊は全てのZRを回っていた状況でした。そこで、先発隊お手製のロードブックをコピーさせてもらい、これまた同じ日に到着したスピットファイアのナビゲーターの海野(うみの)さんと残りのZR区間のみ回ることにしました。
本当はZRとZR間のリエゾン(つなぎ)区間もレッキできればベストでしたが今回は時間の関係上省略しました。
残りのZRはいずれもバランス周辺ということで、マルセイユの北にあるバランスに再び戻るというなんとも非効率なルートになってしまいました。

さて、一路バランスに向かいます。その道中にZR1,2,12をレッキしていきます。
スタート地点の指示がアイテナリーに「◯◯番の電柱」とか、「◯◯のバス停の横」と書いてあるのですが、最初はなかなか発見できずに苦戦。ZR中の曲がるポイントもよくわからない・・・。
そんなこんなでヴァランス到着は夜遅くになってしまいました。

そうなると困るのは夕飯です。フランスでは基本的に夜21時ごろを過ぎると、ご飯を食べられるところがなくなっていきます。スーパーで惣菜を買おうにも、大体の店は20時は閉まってしまいます。
最後の砦はファーストフードです。ケンタッキーでフライドチキンを購入して、寂しくフランスメシを食べました(笑)
そんなこんなで、翌日から3日間も朝出発して、夜までZRを走行して、食事の手配に悩まされる生活が続き、レッキを終えたのでした。


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ヴァランスの宿で食べたパスタ、大味だし量が多いし・・・

ヴァランスに行って2日目からはZRによっては降雪もあり、WRCはドライモンテだったけど、ヒストリックは雪のモンテになるなぁと、感じていました。
「去年の感じだと、ドライだったらアベに乗れるし、雪が降ってもアベが下がるから大丈夫だよ」
と事前に聞いていたこともあり、この時は雪だ!楽しい!くらいにしか思っていませんでした。

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途中雪に隠れていた側溝に落下、地元の方にすぐに救出して頂きました

特筆すべきところは特になかったのでレッキ後半はだいぶ省略して書いてしまいました。
次回は本番に入る前に、フランスの道を走って感じたことを書きたいと思います。

それでは。